ニンテンドー3DSについて思うこと

■ ゲーム Posted by ひぐま (Higmmer) on 2010-06-18 at 00:52:51

◆共有テーマ: ニンテンドー3DS [ゲーム]

保守の代わりとして、ニンテンドー3DSについて思うところを書いておこうと思う。

任天堂Webサイトで公開されている社長が訊く E3特別篇『ニンテンドー3DS』というコンテンツの中で、宮本茂氏が興味深い発言をしている。

宮本 マリオが3Dになって難しくなった、これは遠くにあるのか小さいのかが分からない、ということですよね。

岩田 距離感がつかめない。

宮本 距離感が無いので。(中略)

岩田 だから横方向にジャンプして着地することの距離感はみんなつかめるけど、奥方向にジャンプして距離感をつかむというのはきわめて難しい。

宮本 そうです。特に高さと距離の違いを見分けるのがすごく難しい。だからマリオで一番難しいのは切り株の上にピョンと載ることなんですよ。

岩田 はいはいはい。

宮本 それから空中にあるハテナブロックを叩くのはもっと難しい。

社長が訊く E3特別篇『ニンテンドー3DS』その1 より

これを聞いて思わず膝を打ってしまった。というのも最近遊んだ「スーパーマリオギャラクシー2」でまさに「高さと距離の違い」に起因する問題に遭遇したからだ。宮本氏は切り株やハテナブロックの例で説明しているが、それらは影を見て操作すれば解決するので、どちらかというとそれほど難しくはない。本当に見分けが難しいのは以下のような場面だ。

3D表示の高さと距離の区別(1)

果たして上図中央の地形を見て、先にある陸地までに(A)のように1ブロックの穴が空いているのか、それとも(B)のように1ブロックの高さの段差になっているのか、瞬時に見分けることができるだろうか?もしくは下図の場合はどうだろう。

3D表示の高さと距離の区別(2)

恐らく両者を確実に区別することはできないはずだ(そのように作図したから)。もちろん、こんな作為的な視点ではなく、多少視点をずらすだけでも両者は見分けられるし、表面の模様や色遣いに変化をつけるなどして「なんとなく」見分けられるようにすることもできるだろう。

スーパーマリオギャラクシー2でこの問題に遭遇したのが以下の場面だ。

奥行きと高さが紛らわしい表示の例クリックして拡大

初見のとき、自分は「奥に見えるのは地続きの段差だ」と判断し、そのつもりの距離感と高さで奥方向にジャンプした。
しかし実際にはそこは「地続きではない(穴である)場所」だったので、結果的にマリオを1人失う結果となった。
(もっとも、この静止画(左図)をじっくり見れば右端にわずかに不連続部分があることから辛うじて「穴」だと分かる)

実のところ、この場所では穴の付近まで慎重に進めば右図のように上からの見下ろし視点になるので、そこで穴だと判断できる。しかしカメラが動くのがすごく「もっさり」しているので、自分のようにせっかちな人間は先に先に体が動いてしまい、気づいた時にはもう遅かった。

この例に限らず、特に奥方向に進むステージにおいて距離感を見誤ってミス(しそう)になる箇所が少なからずあった。余談だが、本ゲームでは以下の方法によってこの問題の解決を試みている。

  • 「スピンジャンプ」や「ヨッシーのふんばり」によってジャンプの補正を可能にする
  • 球状(または円筒状)地形を導入し、視点を真上または真横に固定することで2Dゲームに回帰する

これらはいずれも巧い方法ではあるものの、3Dゲームの「高さと距離」の問題が本質的に解決されているとは言い難い。言い換えれば、宮本氏はじめ任天堂スタッフが長年にわたって研究開発を重ねても解決し得なかった問題だと言える。

ところが今回、満を持して立体視可能なデバイスを採用したことにより、彼らはついにこの問題を解決してしまったと思われる。3D液晶を採用すると最初に聞いたとき、やはり任天堂も業界の流行には逆らえないのか……などと思ってしまったが、単に「映像の迫力」を追い求めるのではなく「3D空間での快適な遊び」を実現するのが本当の狙いだったと気づいたとき、任天堂の恐ろしさを改めて思い知った気がした(*1)。

(*1) とはいえ、それはあくまで情報のアウトプットが3Dになったというだけであり、インプット(操作)の方はアナログ化されたものの依然として2Dのままなので、果たして手放しで絶賛できるほど快適な遊びが本当に実現できるのかについては若干の疑問も残るところではある。

それでもニンテンドー3DSが「買い」ではない理由

ここまで書いておいて手の平を返すようで心苦しいのだが、上記のようなことを踏まえても、自分としてはニンテンドー3DSに「発売後すぐに飛びつく」気にはなれない。もちろん、3D液晶が実現する「新しい映像」と、それに伴う「新しい遊び」とはいかなるものか、単純に興味はあるし一度はこの目で確かめてみたいとは思う。しかし、だからといって3DSを実際に即購入、所有したいというところまでには気持ちが高まってこない。

ニンテンドー3DS 外観

以下、その理由を箇条書きしてみる。

  • どことなく「プロトタイプ臭」漂うダサダサの本体デザイン
    • 未来感を出すため?か妙に角張ったヒンジ部が逆に古臭い
    • 下画面の周囲に存在する野暮ったい画面枠とツートンカラーの筐体が初代DS(発売時)を思い起こさせる
    • 初代DSの最終デザインはE3発表時のものから変更されたが、さて今回は?
  • どう見ても使いやすいとは思えないボタン配置
    • 絶対に1回は押し間違いをするであろう電源ボタン
    • 本当は捨てたいのでは?と思わせるほど、見るからに押しにくそうなSTART・SELECTボタン
    • スライドパッドの採用で十字ボタンが下に追いやられたのは、まあ仕方ないか
    • 音量ボリュームをスライド式に戻したのと、無線ON/OFFスイッチを追加したのはマル
    • ついでに言えばヘッドホン端子は(右よりは中央の方がマシだが)本来なら左に寄せるべき。何故なら市販ヘッドホンの多くは体の左側から取り回しやすいようにコード長が設計されている
  • DSi/DSiLLでせっかく大型化したのに、再び初代DSのサイズに戻ってしまった下画面
    • おそらくは先に上画面をワイド3.5インチと決めてから、それに見合う下画面サイズをはじき出したのだと思うが
    • 縦240ドットは少なすぎ。Webブラウザや電子書籍リーダーとしての使い勝手には期待できない
    • 縦持ちでは左右わずか120ドットしか使えないし、発表されたスペックを見ても、3D表示は横持ち専用だと思われる
    • シャープが発表済みのワイド3.8インチ(縦横両対応)3D液晶だったら良かったのに
  • セキュリティーを強化(WPA/WPA2)したIEEE802.11対応とか言っているが、どうせDSソフトで遊ぶときは相変わらずWEPしか使えないだろうという絶望的観測。逆に、もし内部的に何らかのレイヤーを挟むことで強制的にWPA/WPA2が使えるようになっているとしたら、それだけで「買い」と断言する
  • DSiで購入したウェアを3DSに移行できるかどうか不透明。これができなければ「買い」ランクを大きく下げざるを得ない
  • そもそも新機種を出す度にいろいろと壮大な構想をぶち上げてはいるけど、100%成功したと言えるレベルまで実現したものって殆ど無いよね?WiiConnect24然り。一人に一台のマイDS構想然り。っていうかDSiのカメラやSDカードスロットを「まともに」活かしたゲームが殆ど出ない状況に対して先に言うことは無いの?

……等々。

そして何と言っても最大の理由は、これまでに発表されているソフトラインナップが「既存の○○というゲームを3D化してみました」というものばかりだという点。どれもこれも1回遊んで「なるほどこれがこうなったか。確かに凄い。やりたいことは分かった。でもお腹一杯」となるのでは?という予感がひしひしとするのは自分だけだろうか。

加えて言えば、これまでの任天堂の携帯型ゲーム機の開発・発売スパンから推測してみても、3DSが発売されて1年もすれば、上記の不満点の少なくとも幾つかを解消した「3DS Lite」や「3DS LL」が発売される可能性が限りなく高いと思えるんだよなあ……。

というわけで、もし買うとしてもソフトラインナップが充実してくるか、3DSの「後継機」が発表されるタイミングを見定めてからということで、それまでの間はしばらく「様子見」するかな……というのが現時点での結論。今後更に目を引くような大きな新機能・新要素の発表でもあればまた考え直すかもだけど。

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